上位校に受かる生徒の特徴。④
2015年4月22日
続きです。
四谷大塚の偏差値を基準にお話をさせていただければ、偏差値60以上の上位校に受かる生徒は日頃の弛まぬ努力はもちろん、それと同等以上に「知識への好奇心」「知ることへの貪欲さ」が強く備わっているように思います。
「知らないことを知りたい」というのは皆が望むことなのでしょうが、そのためにはそれを知ろうとする知的好奇心のみならず、「根気」「時間」「集中力」「忍耐力」が不可欠となります。相当なエネルギーが必要ですね。ですが、そんなに煩わしくて大変なら知らなくてもいいや、と、大半の人は途中で挫折していきます。三日坊主というのはまさしくそういうことなのだと思います。しかし、一部にはそうした煩わしさ以上に好奇心が強い人もいるもので、そういう方がどんどん新しい知識を蓄えていけば、途中で投げ出した人との間で、知識量で圧倒的な差を広げていきます。
受験生の話に置き換えれば、そこが上位校合格と不合格を分ける決定的要因になるのではないかと思います。私の知る限り上位校合格者は学習を厭いません。
例えば理科の気象で習う天気図の授業を行なったところ、次の日から「天気予報ノート」を付け始めた生徒がいました。「明日の天気はどうなのか?」今まではそこだけにしか興味がなかったのが、理科の授業を受ける中で天気が変化する仕組みを知った、それが楽しくて、毎回天気予報の内容をノートに記し始めた、と言うのです。そういうことを嬉々として実行できる生徒はやはり強い。
こういう生徒さんは理科だけではなく、「知ることは楽しい」「わからなかったことがわかるのは嬉しい」ので、他の教科にもそれを広げていきます。
一方、同じ授業をしていても「授業で習ったこと止まりの生徒」もいます。それはそれで構わないのですが、結局「習ったことしかできない」=「応用が利かない」ことになりがちです。
その「取り組み具合の差」がそのまま入試での結果の差となることが多いです。
分野を問わず「何にでも首を突っ込む生徒」は理科の知識を社会に活用したり、算数の解き方を国語に応用したりと、四教科を関連づけ学習する術に長けています。
こうして知識の輪をどんどん広げていくのですね。知識の輪を広げていくと何事にも柔軟で応用の利く対処ができるようになります。
高学歴の人が世の中で活躍することが多いのは、決してその「学歴が高いから」という理由だけではありません。こういう人は日頃から自ずと脳を鍛える機会に恵まれているので、機転の利いた対処をスムーズに行えるような「脳の仕組み」が確立されているからです。
次回に続きます。