上位校に受かる生徒の特徴。②
2015年4月12日
続きです。
前回も申しましたが、上位校に受かる生徒は算数のできる子どもです。しかしその子たちには、ただ、算数ができるというだけでなく、「産みの苦しみを楽しむことができる」という特徴があります。
難問でもスラスラ解けなくてはいけない、というのは親の身勝手な願望で、上位校の問題は大人でもそう簡単に解けるものではありません。思考の浅い子どもでしたら尚更そうでしょう。
親の「早く解けるようにしなさい病」が感染したのか、子どももそこを勘違いし、算数は「早くきれいにスマートに解けなくてはならないもの」と思い込んでいる生徒が多い。ですので、解くのに少し時間がかかってしまったり、ややこしくてめんどくさそうな問題に出会ったりすると「もうダメだ」と、いとも簡単に匙を投げてしまいます。
これは「三流の証」です。
一流の生徒はすぐに解けないことを苦にしません。むしろ、産みの苦しみを楽しみ、追いつめられた状況を嬉々として受け入れ、苦心しながら答えを導く過程にワクワク感すら抱いています。
逆にすぐに答えがでてしまうような問題には「解けてうれしい」ではなく、「あーつまらない」といった感想を述べるような生徒たちです。
「ピンチは自分への栄養」と、ピンチをチャンスとして考えられる生徒に本当のピンチは訪れません。ピンチの先にチャンスがあることを彼らは経験上知っているからです。いい意味でのプラス思考は柔軟な思考を生み出します。この好循環を自ら作り出せる点でも、彼らは人生においても一流となり得るのです。
私はこの循環を妨げないようするため「勉強ができない」「遅い」という理由で生徒を叱ったことがありません。
「とにかくじっくり考えよう」「粘り強く考えよう」としか言っていないように思います。
特に理系科目は「理屈」で成り立っています。
その場合は絡まった糸をほぐすように考えることが重要ですので、焦る必要や焦らせる必要はないのです。ただし、すぐあきらめようとしたり、粘りを放棄しようとしたりする生徒には厳しく接することはあるかもしれませんが・・。
次回に続きます。