予想外の「合格」と「不合格」。④
2015年2月19日
続きです。
私の二十年近い指導経験の中で「危ないな」と感じるのは、以下の五点のいずれかに生徒が該当する場合です。
1.素直でない。できないのに講師の指導に従わず自分のやり方に固執する。
2.体力がない。すぐに眠くなったり、集中力が落ちたりする。
3.粘りがない。解けないといってすぐにあきらめる。結果をすぐ得ようとする。
4.手を動かさない。自ら工夫する大切さを放棄している。作業する労力を惜しむ。
5.そもそも学習することが嫌い、学習する意義を理解していない。
その逆であることが受験生としては理想なのですが、先日「三つ子の魂百まで」と申しました通り、塾に通い始めるようになったからといってお子さんの性格が突然変化するわけではありません。ですので、 幼児期の、まだ頭が真っ白で「勉強はつらい、面白くない」という先入観がない時期にこそ、前回お話した「学習習慣力」を身につけさせるべきなのです。
「勉強」も「遊び」(例えばゲーム)も知的好奇心を満たしてくれる点、目標に向かいチャレンジしていくという点では共通しています。違いは「遊び」は未達でも親に叱られることはなく、自分の位置づけが変わるわけでもなく、将来に影響するわけでもないということ、しかし、「勉強」はその逆ですので、未達は=不安・緊張となります。自分に不安・緊張を与えるものを遠ざけたいというのは子どもに限らず人間の本能ですから、これが原因で「勉強がきらいだ」というお子さんが出たとしても不思議ではありません。ですが、ここで勘違いしないでいただきたいのは、子どもは勉強そのものが嫌いだというわけではないということです。もしかすると、結果を恐れるから勉強を避けたいのかもしれませんし、できない自分を直視するのが恐くて勉強することを避けたいのかもしれません。
しかし、未達=不安・緊張、「できないことはダメなことなのだ」と子どもに意識させているのは間違いなく、子どもより上の立場にいる親・大人たちです。親側・大人側の意識を変えないと、そして、子どもへの接し方を変えない限り、何時まで経っても「勉強が嫌いな子」を量産することになりかねません。
次回は「幼児期にどのように子どもと接するべきか」について具体的にお話していきたいと思います。