「何のために受験するの?」。
2010年4月26日
平均2年半という期間での受験勉強を途中で挫折することなく、完結させることはなかなか難しいことです。結果はどうあれ、それを遂行してきたこと自体賞賛に値すると思います。ただ、同じ学習時間を確保したにもかかわらず、結果に差が出るのはこれまで述べてきた受験生の「人間力」、彼らをサポートする「家庭力」にも因りますが、各生徒が明確な目標をに定めているかどうかが鍵となります。なんとなく「あそこの学校に入りたいな」程度ではなく、「どうしても~中学校に入りたい。なぜなら~だからだ」と強く願望を抱いている生徒はやはり強い。更に言えば「何のために受験するの?」という動機・哲学を自分なりに持っていれば「鬼に金棒」ですね。
「何のために受験するの?」と問われ「自分のため」と、いかにも親からの受け売りのような「模範解答」で返す生徒がいますが、なぜ自分のためになるのか本当のところはよくわかっていないのではないでしょうか?わかっていないから、途中でモチベーションが下がってしまうのだろうと思います。
司法試験や大学受験を目指す「おとな」でしたら、当然その辺りを十分自覚しチャレンジするはずです。ですが、まだ幼い小学生でそこまで確固たる信念・哲学を持ち合わせているのは少数派でしょう。
「何のために受験するのか?」その理由について小学生がイメージできないのは仕方ありません。彼らは目の前の「志望校合格」に向けての学習で手一杯で、その背後まで鑑みる余裕がないからです。
ですから、そんなお子さんに対し「何のために受験するのか?」について親御さんが責任を持って説明する必要があります。しかも、子供が心から納得できる理由でです。
お子さんそれに沿って学習しますので、親御さんの受験への哲学があいまいですと受験態勢が崩壊してしまいます。
以前担当した生徒のお母さんでとても教育熱心な方がいらっしゃいました。傍目には属に言う「教育ママ」にしか見えませんでしたが、お話してみると入試に対して独自の哲学を持っていて、こちらが驚くような見識をお持ちでした。お子さんもそんな母親の考えに感じるものがあったのでしょう。こちらがはたらきかけなくとも淡々と学習し、そのまま御三家(女子学院)合格です。「この親にしてこの子あり」ですね。
ただ塾に通わせているだけでは効果は出ません。HPでも述べていますが、親・生徒・講師それぞれが責任もつ「三位一体」の態勢を確立させることが大切です。
次回は「何のために受験するの?」の続きです。そこで私個人の考えを述べさせていただきます。