入試まで残り70日です。
2014年11月23日
前回は国語のお話をしました。今回もその続きです。
話す側は、主語・述語・修飾語・目的語などを正確に組み合わせた文章を予め頭の中で構築し、それからおもむろに発声する習慣をつけてください。これは国語力を磨くための基礎訓練の一つです。また、政治家などで失言される方が多いのですが、それは感情をコントロールする精神的ゆとりがないまま声に出してしまうからですね。しかし、一度声にしてしまったことを後々取り消すことは難しいというのが世の中というものです。場合によっては社会的信用を失うことにもなりかねません。ですから、慎重に言葉を選ぶ習慣を年少児より身に付けることは「危機を回避する」という意味でも大切なことだと思います。
また、聞く側の親には「覚悟」が必要です。お子さんの「ね~、お母さん、おやつ」のセンテンスだけで要望を察知し、即それに応えたい気持ちはわかりますが、単語を羅列することを訂正させ、一旦正確な文に言い直させてみてください。しかし、それがなかなかできないのは、子どもの機嫌を損ねてしまい、要らぬ諍いが起こることが面倒だから、また、何が言いたいかは十分わかっているので、また聞き直す、言い直させることが面倒だからです。簡単に言えば「むしろ親の方が面倒だと思うから」です。ですが、親のその短気が子の国語力を削ぐことが多いので、そこは堪えてそのようにご対処いただければと思います。また、「子どもが正確に聞き取れているかどうか」についても確認が必要です。聞き取りが下手で、すぐ早とちりしてしまう生徒は、国語のテストでも設問をよく読まないまま早合点し、結果トンチンカンな答えを書いたり選んだりしてしまいます。すぐに「わかった」と言う子は親から見て「賢い」と思いがちですが、そう思う前に、その対応の速さを疑問に思うたびに「お母さんが今言ったこと、もう一回繰り返して言ってみて」と促してみてください。これも面倒ではありますが、やはり必要なことです。
国語のできるお子さんのいる家庭では、おそらく無意識にそのような習慣が身についているのだと思いますが、この習慣は前述の通り親子関係をギクシャクさせる原因にもなりかねません。それでもうまくいっているのだとすれば、それはそれ以前からの親子関係がちょっとやそっとのことでは亀裂が生じないほど固い絆で結ばれているからです。親子の信頼関係が幼児期より予めできていると、子どもの側も「親がうるさく言うのは自分のことを想ってのことなんだ」と素直に理解し、行動してくれます。
結局「幼少期よりの親子関係を如何に緊密にしてきたか、如何に子育てを計画的に考え実行してきたか」つまり、親の人間力・素養の程度が、子どもの今を決めてしまっているという結論に至るのです。
次回も国語のお話です。