どうして勉強しなくてはいけないの?という疑問に対する答え。③
2014年9月19日
※ 入塾希望のお問い合わせが多いのですが、今年はすでに満席です。祝日などでの「スポット授業」のみ可とさせていただきます。
続きです。
先日もお話しました受験勉強の過程で得られる「副産物」こそが本当の宝だと思います。そして、この宝を身に付けた生徒が受験勉強の本来の目的である「志望校合格」をも同時に勝ち取ってしまうことがほとんどです。結果的においしいところを二度取りすることになるわけですね。
しかし、同じように受験勉強をしていても、どちらも得られないこともあります。それは学習することの喜びを感じないまま終始してしまったからです。自分が少しでも成長・進歩したと自覚すれば、それをを喜ばない子どもはいません。そして、それを承認してもらったとき初めて自己満足に過ぎなかったものが、確信・証へと変わるわけです。自分に確固たる自信を持った子供はそのままのテンションで歯車を回転させ、成長のベクトルを長期的に持続させていきます。しかし、その逆ですと、子どもに自信を失わせ、勉強は辛いものだと思わせてしまうことになります。こうなると継続的な学習は不可能です。
肝心なのは、それを承認するのは親であり、親の接し方次第で子どもは良くも悪くもなるというのを自覚していただくことです。長年この世界にいますと、厳しすぎる親・子供にダメ出しばかりする親の下で育ったお子さんは委縮したところがあります。大抵そういったお子さんは受験が不本意な結果で終わります。「甘やかすと子供がスポイルされる」という理由で親御さんがこのような接し方をなさるのだろうと推測しますが、認めてあげるということと甘やかすということとはその本質がまるで違うということです。ですが、そこになかなかお気づきいただけない。
いつもダメ出しされながら、怒られながら行う学習はお子さんにとって苦痛でしかありません。喜びがないわけですから、脳が栄養不足になる。当然得られるはずの「副産物」も得られず、結局、付け焼刃的に詰め込んだ知識だけで受験に臨むわけですから、失敗もまた必然となるわけです。また、徹底した「付け焼刃」で合格を勝ち取ったとしても「副産物」を得られなかった生徒は合格=人生の目的達成・ゴールと錯覚してしまい、そのまま向上心もなく、親への反抗期も重なり、燃え尽き状態になりかねません。人生は始まったばかりなのに・・です。親御さんは目先のことばかりでなく、長期的視野で物事を考え、お子さんに接していただければと思います。
私の授業はよく「楽しい」「時間が経つのも忘れる」と評されますが、殊更子供向けの冗談を言ったり、媚びを売ったりしているからではありません。意識的に「承認要求」を満たす授業を行うことに終始しているからです。ですから、生徒の脳は朗らかになり楽しさを感じるようになるのでしょう。楽しくなればノリノリで学習する習慣が身に付きます。結果成績の伸びも著しくなるわけです。これはわが子の受験のときにも実証されました。
大人だって褒められればうれしいし、やる気も出る。自分がされてうれしいことは子どもにもやってあげる。極めて当たり前のことをただただ実行してくださるだけでいいのです。
次回に続きます。