国語のお話。②
2014年6月27日
※ 約一か月後には、当塾でも夏期講習が始まります。受験生にとって夏休みは成績を伸ばす最大のチャンス。十分生かしていきましょう。
※「国語の成績が目に見えて伸びてきた、もはや得意科目の一つになった」と、うれしいメールをいただきました。国語は取り組み方次第でいくらでも成績が伸びていきます。頑張っていきましょう。(今年はすでに定員に達しましたが、スポット授業であれば受講可能です)
さて前回の続きですが、これはどの科目にも言えることですが、「手っ取り早く成績を上げる」ことは期待しないでください。どこかにその期待があると、そうならないときにキレてしまいます。キレたらその後の学習の継続が難しくなります。先にキレるのがお子さんであろうが親御さんであろうが同じこと。「短気は損気」。双方とも「入試当日ギリギリで間に合えばいい」、というくらいの鷹揚な心でいることが大切です。
特に国語は時間がかかります。それは解く能力・テクニックの定着に時間がかかるという意味ではなく、幼い頃から身に付いた「読み方」「書き方」の悪癖を抜本から見直すのに時間がかかるという意味です。また、国語の学力を阻害している「読み方」「書き方」の矯正だけでなく、「話し方」「聞き方」も根気よく変えていく必要がありますので、思った以上に時間がかかってしまいます。
国語はペーパーテストなので「話す聞く力」は直接影響しないのでは?と、思われがちです。しかし、「話す力」は「書く能力」と、「聞く力」は「質問された内容を的確に捉え、正確に応える力」と密接に関わっています。
国語が得意かそうでないかは「お子さんの会話能力」「話す力」を見ればだいたい察しがつきます。ご父兄の中で「この子は一体何が言いたいのかな?よくわからない」という事態に陥った方はいらっしゃいませんか?親にそう思わせるような話し方をするお子さんは、おそらく国語の成績が低迷している可能性が高いですね。
例えば「普段成績がよくない同じクラスのA君が算数で初めて百点をとった、みんなびっくりするし、本人もよろこんでいた」という内容を、「ねー、お母さん聞いて、Aってすごいんだよ、あっ、Aってうちのクラスなんだけど、テストやったんだけど、なんかそのときに百点とって、百点ってなかなかとれないじゃん、で、Aって普段できないんだけど、あっ、テストってね、算数だったかな?それでねえ・・・」と、勢いに任せて話し、話がつながらないと感じるやその都度、訂正や話の逆戻りを繰り返してしまうようなお子さんがいたとします。そして、それを聞かされている母親は途中でイライラし「もういい!」となり、話すのがめんどくさくなったのか子どもの方も「もういいや」と、話をうやむやにし、途中で打ち切ってしまうことがあります。
国語のできる生徒は勢いで話しません。先ず、頭の中で話したい内容を筋道を立てながら論理的に形成し、それが固まってからおもむろに口を開きます。頭の中で主語・述語の一致、修飾・被修飾の関係など「無意識のうちに組み立てる習慣」が身についているのですね。だから、話す内容も簡潔で且つわかりやすいものになる。
これは勢いだけで話そうとするお子さんの言動を看過せず、筋道が立たなくなる度に語り方を訂正させ、よく考えてから話をすることを習慣化させた親御さんの功績です。もちろん、いちいち訂正されるお子さんは面白くないでしょうし、話をする気も失せることでしょう。うるさい親だとも感じることでしょう。しかし、お子さんに嫌われても将来を見据えて正しい話し方を身に付けさせようとする親御さんの勇気に私は拍手を送りたいと思います。また、根気よく親に付き合おうとするお子さんなら、その素直な姿勢にも拍手を送りたい。家庭の力量とお子さんの国語力は一致することが多いと感じる私ですが、それはそういった理由によるものなのです。
次回に続きます。