成果は自主性と学習量で決まる。②
2014年4月16日
※ 第一回の四谷の合判が終わりました。如何だったでしょうか?テストとは不思議なもので点を取れる生徒はいつでも取れますが、取れない生徒はいつまでたっても取れなかったりするものです。その差はどこから来るのか?お問い合わせいただいた方にはお答えしたいと思います。
前回の続きです。
ベクトルは正しいです、やる気はあります、だけど机に向かう時間はありません・・ではダメ。机には長時間向き合っています、でも、やる気はありません・・これもダメ。自主性と学習量は両輪駆動でなければいけません。
やる気があろうがなかろうが肝心なことは先ず机に向かう、テキストを開く、ペンを持つ、問題を解くという作業を習慣化させることです。本人が自主的にそうしようとしないのであれば仕方ありません。親御さんはお子さんのやる気の有無に関わらず、形だけでも構いませんので強制的に先ず学習態勢を築かせてください。
「これでは今まで言ってきた「自主性を重んじる」に反しないか、矛盾していないか?」という疑問をお感じになるかもしれませんが、スタート後自主的な学習を継続させればいいのです。それには「作業興奮」が不可欠です。「作業興奮」とは、たとえば「大晦日前の大掃除」ですが、最初は「面倒くさいな」と思って、なかなか作業に取り掛れませんが、いざ始めてしまうと今度は徹底的に掃除をしなければ気が済まなくなり、予定以上に掃除の範囲を広げてしまった、などという経験はありませんか?これを学習に取り入れる。つまり、重い腰を上げさせれば、そして作業を始めたならば、そのうち「作業興奮」が頭を擡げ、結果的に「我を忘れて」自主的な学習を長時間するようになる。私も指導の際には、この原理を取り入れています。
「こんなにうまくいくはずがない」とお思いでしたら、それは親御さん自身がその「作業興奮」を妨げるようなことをしているからです。ノリノリで大掃除をやっている途中で「もっときれいに丁寧に」「ここが済んだら次はここの掃除を頼んだよ」「もっと効率良くできないの」など言われたらどうでしょう?急に白け、「作業興奮」も萎んでしまいます。良かれと思って言ったことが裏目に出るということです。
こういう時は何も言わずただ見守っているだけでいいのです。褒める必要もありません。人間は躁状態のときに褒められると却って白けてしまうものなのです。
そういう意味で親御さんは相手の感情を的確に掴める「心理カウンセラー」であるべきなのですが、皆が皆それができるわけではありません。
その差がお子さんの学力の差につながるのですが、日本は「おもてなし」の国、日本人は元々相手の心理を的確に先読みして行動できる才を備えています。なのに、子育てのときにその素養を生かしていない方が多い。親だから子供より常に優位な立場にいる、それに甘えて親御さんがそのあたりを鍛えてこなかったとしたら早急に勉強すべきです。
次回に続きます。