成果は自主性と学習量で決まる。
2014年4月15日
20年近くこの仕事に携わってきますと、生徒さんを預かって2~3か月ほどでそのお子さんの将来、つまり受験の結果が凡そ見えてきます。また、どのようなご父兄に育てられたのか、その経緯をお聞きしたり拝見したりするだけでも凡その見当はつきます。ただ、それは思っていても私から口にすることはしませんが(笑)。
過干渉な親御さんはお子さんを自分の指揮下に置くことで管理体制を築きます。問題はその立場に置かれたお子さんがその状況を納得・理解し受け入れているかどうかです。納得・理解している場合はそれは親御さんを信頼しているから、信頼とは一朝一夕に築かれるものではなく、聡明な親がお子さんの幼少期からそれを計画的に積み重ねてきたものです。相互の信頼関係が盤石であるならその「過干渉」は問題ありません。
しかし、自分は何の努力・犠牲も払っていないのに「親だから」という理由だけで権力を行使し、お子さんを管理下に置こうとする過干渉な親は上記とは似て非なるものです。そして、その状況下で育ち、親を信頼していない、また、親に恐怖感を抱いている子どもはどうなるかと言えば面従腹背を習い性にします。次に、自分を装い親からの攻撃を躱そうとします。こういうお子さんは「どう振る舞えば親が喜ぶか」を熟知していますからそうします。たとえば「次のテストでは頑張るよ」とか「~を反省している」と神妙な顔で言ってみたり、また、机に向かっている自分をアピールしたりします。こうしておけば親に叱られることはないからです。子どもはそういう知恵は発達しているものです。親も親でそれを見て安心します、が、如何せん演技です。子どもはただ、机に向かっているだけの「魂の抜け落ちた木偶の坊」と化して貴重な学習時間を浪費していきます。やっかいなことにそれを親子ともに「勉強している時間」だと勘違いしてしまっている。そこからは何も生まれないのですが、それはお子さんが悪いのではない、子どもがそうせざるを得ないように育ててしまった親御さんの「子育ての怠慢」が全ての根源なのです。
「勉強しているのになぜ成績が伸びない」と疑問を持つ前に、本当にそれが勉強に値する行為だったのか検証してみてください。伸びている生徒は「本物の勉強」をし、それを積み重ねているだけに過ぎません。伸びない生徒は「偽物の勉強」もしくは「したフリだけの勉強」で満足しているだけなのです。頭の良し悪しは関係ない。また、塾での拘束時間の長短の差でもない。「できる子」「できない子」の差はベクトルが正しいか正しくないかの違いだけなのです。
にもかかわらず、成績が伸びないとやれカリスマ塾だとかやれカリスマ講師だとか(と言うか、「カリスマ」という言葉を自ら使うことは厚顔無恥の極みですね・・(笑))、「青い鳥」を求めて右往左往する親御さんがいますが、そんな暇があるのでしたら、自主的に学習するお子さんに育てるべく工夫してみてください。
20年近く指導していますと、この結論に行き着きます。「成績の伸びは自主性を伴った学習量に比例する」と。また、そういうことが普通にできるお子さんにするもしないも親御さん次第だと。
次回に続きます。