中学受験をする意義とは ②
2014年2月18日
前回の続きです。
御三家レベルの学校に合格できる生徒は前述のように元々の能力に因ることが多いです。たとえは悪いかもしれませんが、競馬の世界でも素質馬はどんな騎手を乗せたとしてもそれなりに走ります。塾と生徒の関係もそれに近いと思います。ですので、このレベルの生徒さんをお預かりする場合はその素材を十二分に活かせるよう「素晴らしい授業」をするというより、「素材を壊さない授業」に徹します。これが他生徒さんとの扱いの違いです。
さて、いかに学習能力に長けた生徒さんであっても、大人になってからもその能力が通用するとは限りません。大学卒業後、特に民間企業に入れば学力より、体力、コミュニケーション能力、洞察力など「人間力」が不可欠となります。必ずしも得意分野が生かせる環境とは言えない。ですので御三家→東大コースを歩まれた方は知性を生かすことのできる職業(医者・法曹関係など)に就かれた方がいいのではと個人的には考えてしまいます。
先程「元々の能力」と申しましたが、これは遺伝に因るものが多いとは思いますが、御三家レベルに受かる能力の持ち主は例外なく「学習すること自体が好き」です。もっと言えば遊び感覚で学習ができます。そして真面目で探求心旺盛な生徒が多いのも特徴です。
これは「週何回かの授業」で身に付くものではありません。塾の貢献度などたかが知れているということです。長い時間をかけ、このようなお子さんを育て上げた親御さんこそが賞賛されるべきなのです。(塾が賞賛されていいのは入塾時の総合偏差値が40台だっだのに、御三家に合格させることができた場合のみ)
このようなお子さんを育てた親御さんには共通点があります。それは知的職業に就いている方が多いということです。
当塾は医療関係のお仕事をされている方からの紹介で入られる生徒さんが多いのですが、水準以上のお子さんであることが多いです。このようなご家庭では親御さんが(意図されてかどうかはわかりませんが)日常的に学習・研究しているシーンをお子さんに見せているからではないかと思います。「子は親の背を見て育つ」といいますが、「学習・研究していることが家庭内では当たり前」の環境下で育てば、「勉強することが当たり前」「学習は日常の習慣」と考えるお子さんに育っても不思議ではありません。そういうことなんです。
またまた、話が逸れてしまいました。「中学受験をする意義」ですね。
御三家生の話はここまで。次回から本題に入っていきます。