「受験生の親」を経験しました。②
2013年3月11日
前回の続きです。
※ ここでのお話の中心は受験生および親御さんの入試に対する心構えについてのものです。学習指導方法についての具体的なお話は当塾生およびその親御さんに限らせていただきます。ご了承ください。
「1年間の指導のみで入試で結果を出す」。これを「ありえない」とするのが一般常識です。ですが、わが子の受験はこれで成功しました。1年を通して、具体的には算数で偏差値11アップ、国語は元々悪くはなかったので終始60~65で動いていました。
「入試は最低2年、いや3年かけて準備すべきだ」というのが一般論です。どんなに遅くても5年生から始めたい、できれば3~4年生からということですね。確かに履修する量は膨大です。また、5年生になれば受験生当事者としての自覚も出てきますので、当塾でも受け入れは5年生からと定めています。ですが、まだ遊びたい盛りの低学年のうちから、それを犠牲にし、中学入試の準備しなければ間に合わないほどの学習量かと問われれば、決してそうではないというのが私の考えです。
例えば「予習シリーズ」の5年上下、6年上が「入試で知っておくべき最低限の内容」だとすれば、1冊だいたい150ページですから、全教科分をまとめると1800ページkらいです。これを365日で割れば1日たった5ページ程度。実際はこんなものなんですね。(笑)
5ページと言えば算数(予習シリーズ)では「例題」に当たる量です。これは30分で解きたい量です。理科・社会ですと30分集中すれば相当先に進めます。何が言いたいかおわかりでしょうか?
厳しい言い方をすれば「この程度の量をダラダラ3年もかけて履修するのは、「勉強した気」にこそなれ、傍から見れば大層非効率的な学習をしているなとしか映らないということです。短期間で十分できることは短期で仕上げてしまいましょうというのが私の言いたいことです。
低学年のうちは「なぜ塾に通うのか?」「なぜ、勉強が出来ないと親に叱られるのか?」それすら心得ていません。その中での学習は大半の生徒にとっては苦痛でありストレスに過ぎません。脳がストレスで一杯になった状態では意欲はわきません。このように低学年からの「スパルタ教育」は、学習を先取りし、一見効率よく軌道に乗せたと思いきや、実は初期の段階から「学習意欲に乏しい子ども」を作り上げていることと変わらない、結局非効率になってしまうということなのです。
ですので、子どもが5年生ごろまではウンと遊ばせた方がいいのです。もっと甘えさせてもいいのです。そこで親子の信頼関係を十分に築き、その基礎ができてから受験勉強を始める方がはるかに効率がいいのです。
思い立ったが吉日。低学年のお子様を持つ親御さんは早速実践してみてはいかがでしょうか?
次回に続きます。