中学受験の意義。⑤
2013年3月04日
前回の続きです。
中学受験を経た生徒は合格した喜び(努力すれば報われる)を若年期に実感でき、その成功体験を将来への糧にすることができる、残念ながら合格できなかった生徒もこの挫折(物事は自分の思うように進むものではない、目標を達成できなかった原因はどこにあったのだろうか)を実感し、その失敗体験から次の成功を導く手立てを考える機会を得られた。これも収穫。受験に失敗し、謙虚になれたからこそ得られる賜物です。
また合否に関係なく受験の過程で「知力」「体力」「忍耐力」が身についたこと以外に「友人との切磋琢磨」「親子の密接な関係」「受験をさせてくれたことに対する親御さんへの感謝」「講師など肉親以外の大人との付き合い方」など、「何となく過ごす小学校生活」の中では気づかなかったことも、この凝縮された期間の中で一気に得られる。これもまた貴重な体験です。
「受験に価値を見出す親」「受験に価値を見出せない親」の二極化について先日お話しました。どちらも「アリ」だとは思いますが、上記のような「得がたい経験」に価値を見出すのであれば、是非受験を経験してみてください。その中で子どもの成長、今まで気づかなかった一面など「お子さんの可能性」を垣間見ることができるからです。更にそこから親子の「今までとは違った接し方」に発展していくこともあるでしょう。受験は子どもの成長だけではなく、親の成長にも関わってきます。つまり親子(中学受験に関係する当事者)が共に成長し、ご家庭の発展にも繋がっていくということですね。
このように「受験の意義」を考えると、合格すること・結果を出すことはもちろん最優先課題ですが、実はその過程にこそ本当の価値があるのではないかと思ってしまいます。
当事者にとっての「受験の意義」は以上です。次回は、第三者にとっての「受験の意義」についてお話をさせていただきます。