中学受験の意義。③
2013年2月26日
前回の続きです。
先日は「中学受験」についての考え方が二極化しているというお話までしました。
ところで、昨今の「少子化現象」、また、大学への「入り口」が広くなったなどの理由で、今後中学受験を試みる生徒は減っていくであろう、というのが4~5年前のおおよその見方でした。ところが実際には受験者数は減っていない。むしろ増えている。これはなぜでしょうか?
それは
1.大学に入りやすくなったからといって、志望する「難関校」への進学が必ずしも容易くなったというわけではない。それ相応の学力を中高一貫教育の中で身につけさせたいという理由。
2.公立の中高が環境の改善を練っているが、まだまだ通わせることに対しての不安が根強く残っているという理由。
3.中高一貫教育の中で知り合う友人・恩師などつながりを重視したい。高校受験に煩わせることなく、部活動などを存分にやらせたいという理由。
4.学校の教育方針に共感できる。そこに子どもを委ねたいという理由。
など、従来の理由のほかに、
「受験そのものをやらせたい」という親(もしくは「やりたい」という子ども)が増えているということです。結果も大事だが、その過程を重んじるということでしょうか。かつてはあまり無かったことです。
こういうご家庭は受験もほんの1~2校に絞ります。「滑り止め」「お試し」というのがありません。あくまで「本命校狙い」です。そして、失敗したらそのまま公立に通わせる、そして次の高校受験で再チャレンジする。別に落ちたからっといって命まで奪われるということはありませんからね(笑)、また、「公立」というセイフティネットもありますから、そういう受験も大いに「アリ」です。
ですが、ここ最近の受験理由として目立つのが学歴の中での「中高歴」を重視したいという考えです。例を挙げると、「東大卒です」ということより「開成中高卒です」に価値を置きたいということでしょうか。
この考えは親御さんだけの考えではありません。企業でも人事部は実は履歴のそこを注視しているという話もあるくらいです。
次回はそのことについても触れてまいります。そして、最終的に「中学受験の意義」にたどり着ける展開をしてまいります。