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国語対策法を伝授

やる気にさせるには。⑦

2011年10月19日

※2月1日の入試まで残り100日となりました。これからは1日1日の過ごし方を意識しなければなりません。入試では得意科目で苦手科目を補う方法は通じません。すべての教科で満遍なく点数を取る力量が求められます。ですから、今後は自分の苦手な教科を「選択」し、そこに時間を「集中」させる学習法に切り替えることが必要です。

※「国語だけが足を引っ張っている」とお悩みの方はご相談ください。残り100日で挽回するためのノウハウをご伝授いたします。

 前回は「学習に適した家庭環境」についてお話しました。特に時間に余裕がある休日の何時間かは家族そろって静かにテーブルを囲む習慣を取り入れてください。これは家族全員の向学心だけでなく、気持ちを落ち着かせ、集中力を高める効果があります。また、全員のベクトルを一致させることで、家族同士の絆を高めることもできます。お子さんの心理にも良い影響を与えますので是非実践していただきたいと思います。そして、「お父さん、お母さんも頑張っているんだ」という姿を見せるだけで、お子さんは親御さんを信頼します。まずは親が子供に尊敬される姿勢を見せることが肝要です。

 次に必要なのはお子さんへの「共感能力」です。これは親御さんだけの話ではなく、われわれ講師にも求められる能力です。つまり、子供の立場、気持ちを慮れる能力です。テストの結果が良いとただ褒めるだけの親御さん、しかし、次の週テストで悪い点数を取ってくると先週までの態度とは打って変わってガミガミ叱る親御さん、そんな方はいませんか? 

 お気づきだとは思いますが、子供の能力って一週間単位でそうコロコロ変わるものではありませんから。(笑)

 長年いろいろな親御さんを見てきましたが、一番マズイのは「短気な親御さん」「忍耐力のない親御さん」です。(気の短さが成功を妨げるのは受験に限った話ではありませんが・・短気は損気、昔の人は事の真理がわかっていたのでしょうね。いい箴言です)

 長期的視野に立てない親御さんはたいていお子さんを失敗に導きますのでご注意ください。1月31日まで我慢できる方が勝者になれます。

 話が逸れました。 共感能力のお話でした。

 「子供とは本音で話す、ストレートな物言いをする」。これに納得してしまう方は受験生の親御さんにはなれません。本音トークが許されるのは子供時代までです。酸いも甘いもかみわけた大人はこのように幼稚なことをしてはいけません。さて、親に求められるのはその共感能力ですが、これに必要なのは「演技力」です。「演技」というと少しいやらしく聞こえますが、聡明な親御さんは自然に身についているらしく、無意識のうちにそれを使う能力に長けています。

 お子さんはテストの結果が悪いとその報告を渋ります。当然ですね。叱られることが火を見るよりも明らかだからです。そこで、その虚をつくような態度を親御さんが「演じられる」かどうかが重要になってきます。

 例えばお子さんが算数で単純な計算問題で失点したなら、その原因は明らかにケアレスミスです。ですが、単にそこを責めるだけではなく、ケアレスミスをするに至ったお子さんの心理を読み取りつつ話をするのです。焦っていたことが理由なら、「なぜ、慎重に解かないの!」ではなく、「急いで解いて応用問題にもトライしたかったんだね。その気持ちは前向きでいいね。」と先ずは認めてあげたうえで、「次回は慎重に解けば2点もゲットできるよ、これはおいしいね。」と笑顔で対応(指導・注意)し、お子さんの気持ちを凹ませることなく、次への希望を醸し出すのです。難問が解けなかったときは、「これはお母さんにもできないわ(本当はできるのだが、そう言ってみる)、どれ、一緒に解いてみようか、競争や」と対応する。そう言うことでお子さんは「なんだ、お母さんもできないんだ、じゃあ、私が先に解いて自慢してやろう」とゲーム感覚で楽しく問題を解こうとしますし、時折「ねー、これどうやって解くの?お母さんにヒントちょうだいよ」と、あえてお子さんの顔を立ててあげるような物言いをすることで子供の気持ちに優越感を与えてあげる。するとお子さんは「しょーがないな」と言いつつも、嬉々としてお母さんにアドバイスします。(このやりとりは解き方・公式を定着させるのに有効です)このようにして「一緒に算数で苦労している時間」を作ることで生まれる親子の一体感により今までのマイナス思考はどこへやら、次のテストに向け、前向きの気持ちを生み出すことが可能になります。

 お子さんとの接し方を緻密に計算し、あえてボケ役に徹することができる親御さんは本当に賢いということです。(プライドだけは高い塾講師が使いものにならないのもこの理由です)

 とにかく、お子さんを気持ちよくさせることが大事です。お子さんも気持ちよくさせてもらっていることには気づいていますので、口に出さないまでもそんな親御さんには感謝しますし、それが信頼感を、ひいては「もっと頑張ろう」という気持ちを芽生えさせます。

 家庭で静かな環境を作ることに加え、親御さんのお子さんへの接し方を変えてみる。

 親の役目として、まずはお子さんにとっての心地よい環境と心理状態を作り出すことに専念してください。

 次回も続きます。

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